第8回東アジアインクルーシブシティネットワーク(EA-ICN)の構築に向けたワークショップを開催しました
2018年7月11日(水)~13日(金)、香港にて「第8回東アジアインクルーシブシティネットワーク(EA-ICN)の構築に向けたワークショップ」を開催しました。(主催:沙巴体育平台都市研究プラザ、共催:香港バプティスト大学地理学科(都市研究プラザ香港センター)、崔媽媽基金會、OURs(都市改革組織)、SHソウル住宅都市公社、ソウル市城東区、協力:St. James’ Settlement、Society for Community Organization、京畿道始興市、ソウル研究院、韓国都市研究所)
このワークショップは、「万人のための包摂型都市へ(Towards an Inclusive City for All)」というテーマのもとに開催されました。都市が相互に終わりのない競争へと突き進むことをやめ、すべての人々を包みいれ、すべての人々に生の機会を保証し、人権の保障や社会への包括的な参加が可能な場となるためには何が必要なのかを解明するための研究や、そうした都市の実現を目指した実践に取り組んできた日本、韓国、台湾、香港など、東アジアの各都市の実践家や研究者による国際共同のプラットフォーム (東アジアインクルーシブシティネットワーク(EA-ICN))の構築を目指しています。
ワークショップ1日目のエクスカーションでは、香港内のコミュニティ保全運動や、コーハウジングによる居住支援の取り組み、そしてホームレス支援の現場を訪問し、都市における包摂にむけた多様なまちづくりの知見を得ました。真夏の日差しが降り注ぐなか、いずれの現場においても参加者と現場の実践家との間で活発な意見が交わされました。
2日目と3日目は都市研究プラザの香港センターを担っている、香港バプティスト大学に会場を移し、香港、台湾、韓国からの都市政策やNGO/NPO等によるコミュニティ再生やまちづくりの実践などの報告が行われました。日本からは、研究者だけではなく、大阪府下の箕面市、大阪市、堺市、八尾市、そして東京都の各自治体より行政職員が参加されました。子どもの貧困対策や空き家対策、居住支援、そしてまちづくりの実践や外国人政策などの報告があり、国内外の自治体関係者と市民組織の現場ワーカーとの間での活発な議論が行われました。
国内のみならず、海外の行政機関やNGO/NPO等の市民組織をつなぐネットワーク構築に貢献しようとしている都市研究プラザとして、非常に大きな手応えを感じた3日間でした。
これらの取り組みに加え、現在、各国で、受け皿組織作りに向けた取り組みも進められています。日本では、3月に大阪府下の自治体職員と共同で行った国際実践セミナーを基に、「東アジアインクルーシブシティネットワーク?ジャパン(EA-ICN-Japan)」を発足し、国内外での研修や先端都市学講座などの事業を進めています。韓国でも、都市研究プラザの働きかけにより、6月に「東アジアインクルーシブシティネットワーク?コリア(EA-ICN-Korea)」の準備会がつくられ、本格的な活動に向けた調整を行っています。今回のワークショップの最後には、台湾や香港に対しても同様の組織作りが提案され、第10回のワークショップに向けた下地作りを進めていくことで合意しました。
来年は台湾台北市にて開催される予定です。
※本ワークショップは、トヨタ財団2017年度国際助成プログラム助成対象「東アジア包摂都市ネットワークの構築―引き裂かれた都市から包摂型都市へ―」(代表:全泓奎)の企画として実施されたものです。